公正証書遺言は自分で作れる?
遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言などがありますが、公正証書遺言は厳密に言えば公証人のみが作成できます。
この記事では、公正証書遺言は自分で作れるのかという疑問と作成方法について解説します。
公正証書遺言は公証人しか作成できない
公正証書遺言の作成は自分、弁護士、行政書士、司法書士でも作成できません。
唯一作成できるのは公証役場の公証人だけであり、司法書士などの専門家に依頼できるのは遺言書の素案の作成や公証役場とのやり取りなどのサポートです。
司法書士に依頼すれば、手続きや必要書類の収集などといった作業を任せることができます。
公正証書遺言の作成方法
公正証書遺言の作成方法は以下の手順で行います。
- 遺言書の元になる案を作成
- 必要な書類を収集
- 証人を2名選任
- 公証人と打合せ
- 公証役場で遺言書の作成を行う
公正証書遺言を作成する際には、元になる自身の考えや相続に関する財産(預貯金や不動産など)を事前に洗い出すことで記載漏れを防げます。
また、相続時に揉め事を想定している場合には、「遺言書執行者」を指定することも検討しましょう。
そして遺言者の戸籍謄本や登記事項証明書など多くの書類が必要となり、作成時には必ず2名以上の証人を選任しなければなりません。
言書の原案や必要書類がそろった時点で公証役場に連絡して公証人と打合せを行います。
法的に不備がなければ、後日改めて証人2名以上と公証役場へ出向き、正式に公正証書遺言を作成するという流れです。
公正証書遺言の作成時に注意すべき点
公正証書遺言を作成するときの注意点を3つ解説します。
作成には手数料がかかる
公正証書遺言を作成する際には、財産の額面や分配する人数によって5,000円~25万円以上の異なる手数料がかかることは覚えておきましょう。
遺言内容を公証人に相談できない
公証人は遺言者の意思を書面にするだけなので、どの財産を誰にあげるべきかといった相談はできません。
遺留分に配慮
遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の法定相続人が取得できる遺産であり、法的に最低限保障されています。
そのため、遺留分を考慮して公正証書遺言を作成しなければなりません。
まとめ
今回は、公正証書遺言は自分で作成できるかという疑問について解説しました。
公正証書遺言は公証役場の公証人のみが作成できるので自分では行えません。
また、作成時には遺言内容に沿った必要書類や2名以上の証人を選任するなど、さまざまな手間と労力がかかります。
司法書士に依頼すると、本来であれば自身が行うべき作業を代行してくれる上に、遺言書作成時に適切なアドバイスをもらうことも可能です。
事情により身動きが取れない方や手続きが良くわからない方など、まずは司法書士に相談してみましょう。